企画・原作・脚本の山下です。
2009年ロードショーの後、3年をかけて全都道府県+αにおいて300回を超える自主上映会を企画して頂きました。
そして2012年秋より、上映会を企画してくださる方には、作品の貸し出しを中止し、代わりに『ぼくはうみがみたくなりました』ライブラリ版(無償上映権付)を販売させて頂いています。

『ぼくはうみがみたくなりました』(通称『ぼくうみ』)は自閉症の青年と看護女学生が繰り広げる心温まるロードムービーです。原作の小説は2002年に発刊されました。
自閉症の長男(大輝(ひろき))を事故で失った私が、息子のために最後に出来る仕事として、映画製作に取り組んだのは事故の直後のことでした。
「小説をぜひ映画に!……」と、全国から3500万円もの大金を制作費として寄付して頂き、完成した作品です。邦画の制作に対しての直接寄付金額として、日本記録を樹立してしまった作品らしいです。

初公開は、東京都写真美術館ホール(恵比寿)での単館ロードショーでした。
オープニング当初は知名度も低く、ホールは閑古鳥状態だったものの、来館して頂いた方々の「もう一度観たい」「誰かに観て貰いたい」という思いが口コミで広がり、誰かが誰かを連れてもう再来場してくださるという1+1+1…の力をもって、最終週の4週目にはお蔭さまで連日の満員御礼状態となりました。
ロードショー後は、自閉症関係者を中心に、自閉症の理解と啓発に役立つとの評判が口コミで広がり、本当に多くの自主上映会を開催して頂くことが出来ました。また、国会での議員向けの上映会も開催されたり、アメリカ西海岸、ニューヨークにおいても招待上映されました。ANAの国際線でも2ヶ月間上映作品として取り上げられました。

自主上映会開催を希望される際には、作品の権利関係の問題もあり、ぼくうみ実行委員会が上映用のDVD等を貸し出すというかたちを取らせて頂いていたのですが、これには正直、いろいろ面倒な手続を要しました。
現在はライブラリ版DVDをご購入頂くことで、ぼくうみ実行委員会へのご連絡等は一切必要なく、いつでも何度でも上映会を企画し、開催して頂けることができます。
聴覚障害者用の日本語字幕、視覚障害者用の音声ガイドも収録しています。

ついこの間まで、自閉症という障害は一般の方々にはほとんど知られていない存在でした。
それが最近、特に発達障害者支援法の制定以来、自閉症・アスペルガー症候群・発達障害等の障害に対しての知識はかなり広まってきているように思います。
しかし、障害名自体は知られるようになったものの、残念ながら実際は、障害名だけの一人歩き過ぎなかったりしています。ほとんどの方は、自閉症という名称は知ってはいるものの、実際に自閉症児者には会ったことがない、というのが現実なのです。

『ぼくうみ』は劇映画です。主人公の台詞に私の長男の口癖をとり入れてはいるものの、ストーリーは完全にフィクションです。にもかかわらず、本物の自閉症児者の登場するドキュメンタリー映画以上に評価されています。
その理由は…自閉症を題材として取り上げた他のどの作品以上に“自閉症を伝える力をもつ作品”だったからだと自負しています。(手前ミソですが…)

自閉症児者の家族や関係者の方々には「この映画は観るだけで元気を貰える」と言って頂いています。また、自閉症のことを知らない方々には「自閉症がどんな障害なのか、はじめてわかったような気がする」と言って頂いています。
『ぼくうみ』には福祉関係の映画にありがちな説教臭さは一切ありません。決して押しつけではなく、お涙ちょうだい話でもなく、一般の映画として楽しみながらいつの間にか自閉症の理解につながっている。アニメ映画ですら途中で飽きてしまう小学生にも最後まで楽しんで観て貰える。そんな作品だからこそ、こんなにも多くの方々に支持して頂けたのだと思っています。
 自閉症の青年・浅野淳一を演じる伊藤祐貴クン(現在は改名して“伊藤祐輝”)は、長年自閉症児者と接してきた専門家でさえ、「彼は本物の自閉症?」と言わしめるほどの抜群の演技力を発揮してくれています。『ぼくうみ』での演技が評価され、松竹作品「武士の家計簿」では、堺雅人と仲間由紀恵夫婦の息子役として、主演メンバーに抜擢されました。

これまでに5万人の方々にご鑑賞頂いている『ぼくうみ』です。でも、まだたったの5万人です。5万人なんて、東京ドームに1回で入ってしまえるだけの人数に過ぎません。自閉症・発達障害の子どもたちが6%も存在すると言われているというのに……。
仕方ありません。実行委員会に営業力がなく、なおかつ自主映画なので、全国ロードショーができませんでした。だからこそ、こつこつと自主上映を続けてきました。
でも、このまま埋もれさせたらもったいない作品だと思っています。まだまだこの先、自閉症をテーマした作品としてはぼくうみがトップを独走し続けるだろうという自信もあります。
だから、少しでも多くの方々に『ぼくうみ』を観て頂きたいと思い、上映権付のDVD販売を続けています。

販売価格は税込・送料込で29800円とさせて頂いています。消費税額が変わっても同じ値段にしています。
ちょっと高い(?)と思われそうですが、上映権付きのドラマ映画としては、他の多くの作品と比べ、破格の安さです。
300枚限定。発売元はぼくうみ実行委員会のみです。制度上、著作権料等を前払いしなければならないので、大量にプレスすることが出来ません。→ 100枚追加しました。
全国各地の社会福祉協議会、自閉症協会、小中高等学校、大学、福祉施設、障害関係グループ、公共図書館等の団体の方々にご購入頂き、自閉症啓発に役立てて頂ければ幸いに存じます。(基本的に個人の方には販売していません)

また、一度作品を観てから検討したいという方は、メールにてご連絡ください。
ネット上に配置してありますサンプル動画(全編)のアドレスをご連絡させて頂きます。


自閉症を伝えることのできる映画の“定番”と言われる作品になれたら嬉しいです。
ご購入、そして上映会、ぜひご検討して頂けたら幸いです。
また、もしご購入希望者を紹介頂けるようでしたら、よろしくお願いします。
 

  ぼくはうみがみたくなりました製作実行委員会  
企画・原作・脚本 山下久仁明  
メール yamashita@bokuumi.com  
電話 080-5693-2941  

「ぼくはうみがみたくなりました」製作実行委員会
東京都町田市小川1511 フリースペースつくしんぼ内
TEL 080-5693-2941(実行委員会専用) メール yamashita@bokuumi.com